第6章 いつこの備忘録「結ばれなかった二人」

恋愛小説が好きです。

ハワイ王国物語を読んでいると、当時の王族たちの年齢が非常に近かった事がわかります。そして、もしこの人とあの人が結ばれていたら歴史は変わっていたかも?と想像することも多いです。

在位期間がわずか1年だったハワイ王国第6代国王William Charles Lunaliloと、Victoria Kamāmaluのおはなし。

2人は幼い頃に婚約していました。これはVictoriaの母、Kīnaʻuが望んだものでした。

二人は幼い頃からお互いに強く惹かれ合っていた史料があります。

Victoria Kamāmaluは、Kamehameha IIIの後を継いだKamehameha IV、Alexander Liholihoの妹。

William Charles LunaliloとVictoria Kamāmaluが結婚し子どもを設ければ二人の子はハワイ王家の中でも非常に高い血統を持つことになると考えられていました。それを恐れたのが、Victoriaの兄、Kamehameha IVだったと伝えられています。

Kamehameha IVはEmmaとの結婚を望んでいおり、二人の間に子どもが生まれれば王位継承者となります。(実際に婚姻後、Prince Albert Edwardが生まれています)

しかし、LunaliloとVictoriaの間に子どもが生まれれば、その子の血統は我が子(Albert)よりも高いものに。

そのため、二人の結婚は許されず、引き裂かれることになった――。

これは、ハワイ王族の歴史の中に残る、切ない恋物語だと思います。

Victoriaはその後、生涯結婚することなく、27歳という若さで亡くなりました。

そしてLunaliloもまた、彼女の死から8年後、わずか39歳でこの世を去ります。

LunaliloがVictoriaへの想いを歌ったとされるmeleが、今も伝えられています。

その曲が「ʻAlekoki」。

若きLunaliloが作った歌。20歳前後に作ったとされるこの曲。彼らの受けた教育の高さがよくわかります。(王族ですものね。。)

Kamāmaluの裏切りを嘆き、壊れた心を歌い、Kamehameha IV(Alexander Liholiho)の事を軽蔑の対象として唄に残しています。

二人の恋を思うと、このmeleは単なる美しい歌ではなく、叶わなかった人生そのもののようにも感じられます。

そして、もう一つ心に残るのが、Lunaliloの最期です。

Lunaliloは、歴代王族が眠るMaunaʻAlaではなく、ただ一人、Kawaiahaʻo Churchに埋葬されることを望みました。

彼は、自分を王に選んでくれた人々のそばにいたいと望んだそうです。

一方、VictoriaはMaunaʻAlaに眠っています。(MaunaʻAlaの霊廟には彼女の名前が刻まれていました。)

もしLunaliloがMaunaʻAlaを眠る場所に選んでいたなら。

幼い頃に結婚を約束しながら、強く惹かれ合いながらも結ばれることのなかったVictoriaの近くで、今も静かに眠っていたかもしれません。

もちろん、それは私が想像する、歴史に存在しない「もしも」のお話です。

ハワイ王国の歴史は、王や女王の名前だけで語られるものではありません。

その裏には、生々しい一人ひとりの愛や別れ、叶わなかった夢や人生があります。

LunaliloとVictoria Kamāmalu。

王位継承という大きな歴史の陰で、二人には二人だけの人生と、叶わなかった恋がありました。

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